※営業電話はご遠慮ください
神奈川県で風俗営業許可を取得するポイント「要件・違反事項」などをまとめてチェック 【風営法】

神奈川県で風俗営業許可を取得
神奈川県で、キャバクラやスナックなどの風俗営業許可(1号)を取得するための情報をまとめました。
風俗営業許可の要件

風俗営業の取得要件は「人的要件」「場所的要件」「構造・設備的要件」の3つ。
許可を取得できない申請書及び管理者(人的要件)
破産者や犯罪歴のある者等(風営法第4条)
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- アルコール・麻薬・大麻・アヘン・覚せい剤の中毒者
- 集団的に、又は常習的に暴力的不法行為その他の罪に当たる違法な行為で国家公安委員会規則で定めるものを行うおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者
- 心身の故障により風俗営業の業務を適正に実施することができない者として国家公安委員会規則で定めるもの
- 1年以上の懲役若しくは禁錮の刑に処せられ、または一定の罪(以下、風営法違反など)を犯して1年未満の懲役若しくは罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者 ……等々
風営法違反者(風営法第49条・50条)
- 無許可営業(特定遊興飲食店営業も含む)
- 不正の手段により許可を取得した者
- 名義貸し
- 営業停止違反など
- 営業所の構造または設備を無承認で変更(無承認構造変更)
- 不正の手段により構造変更の承認を受けた者
- 未成年者(18歳未満)に「客の接待をさせる」「午後10時以降に接客させる」「客として立ち入らせる」
- 20歳未満の者への酒類やたばこの提供
- 深夜酒類提供飲食店を条例の禁止区域内で営業した者
- 性風俗営業で一定の違反をした者…等々
※申請者が外国人の場合
以下の在留資格者であれば申請可能。
- 定住者
- 永住者・特別永住者
- 日本人の配偶者等
- 経営・管理(※管理者は不可)
許可を取得できない地域(場所的要件)
①住居集合地域
用途地域 | 営業の可否 |
---|---|
住居専用地域 | × |
住居地域 (準住居地域を含む) | 原則× ※商業地域の周囲30m以内なら〇 |
工業地域、工業専用地域 | △ (建築の制限あり) |
商業地域、近隣商業地域、準工業地域 | 〇 |
営業できない用途地域※条例により緩和措置あり。
- 第一種低層住居専用地域
- 第二種低層住居専用地域
- 第一種中高層住居専用地域
- 第二種中高層住居専用地域
- 第一種住居地域
- 第二種住居地域
- 準住居地域
- 田園住居地域
営業できる用途地域
建築基準法で「工業地域」「工業専用地域」での建築が制限されているため、営業可能な地域は事実上「商業地域」「近隣商業地域」「準工業地域」。
※用途地域の種別についてはこちらのサイトで確認可能
そのほか、「規則で指定する地域(観光地等)で、ホテル営業・旅館営業の施設内で風俗営業(パチンコ店等を除く)を営む場合の住居専用地域・住居地域(準住居地域を含む)」であれば営業可能。
②保全対象施設周辺の地域
保全対象施設 | 距離制限(この範囲での営業は不可) |
---|---|
学校(大学を除く) | 100m以内の地域 |
学校(大学に限る)、図書館、児童福祉施設、病院及び診療所(入院施設を有するもの) | 70m以内の地域 ※営業所が商業地域にある場合は30m以内の地域 |
学校、図書館、児童福祉施設、病院、診療所が対象で、その周辺地域での許可取得は原則不可。※建設中・許可申請中の施設も含む。
※参照:風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例等の解釈基準について
学校とは(学校教育法1条)
- 幼稚園
- 小学校
- 中学校
- 義務教育学校
- 高等学校
- 中等教育学校
- 特別支援学校
- 大学
- 高等専門学校(通称、高専)
※サテライト校舎(大学や通信制高校などが本校舎以外の場所や地域に設置する施設)や通信高校も保全対象施設の対象
※専門学校は対象外
児童福祉施設とは(児童福祉法7条)
- 助産施設(第1種)
- 乳児院
- 母子生活支援施設
- 保育所(認可保育園のみ対象)
- 幼保連携型認定こども園
- 児童厚生施設
- 児童養護施設
- 障害児入所施設
- 児童発達支援センター
- 児童心理治療施設
- 児童自立支援施設及び児童家庭支援センター
保全対象施設にあたる病院・診療所
入院設備があるにものに限る。
構造・設備的要件
- ・客室の床面積:和風の場合は1室につき9.5㎡以上、それ以外(洋室)は1室につき16.5㎡以上
-
ただし、客室が1室のみの場合は床面積の制限はなし。
- ・営業所の外部から客室が容易に見えないこと。
-
ドアや窓ガラスなどを通して、外から店内が見えないようにします。カーテンやスモークフィルムなどを設置して対応。
- ・客室の内部に見通しを妨げる設備を設けないこと。
-
概ね1mを超える物は設置できない。たとえば、大きい観葉植物、棚・椅子その他家具全般
- ・善良の風俗又は清浄な風俗環境を害するおそれのある写真、広告物、装飾その他の設備を設けないこと。
-
セクシーな写真等の装飾がこれに該当。
- ・客室の出入口に施錠の設備を設けないこと(※営業所の外に直接通じている出入口は除く)
-
客室に個室(例 VIPルーム)を設置した場合、鍵を付けたり等の施錠設備を設けることはできない。
- ・客室の照度が5ルクスを超えること。
-
スライダック等の調光機能は原則不可。ただし、スライダック自体を禁止しているわけではなく、調整しても規定照度を維持できれば問題ない。
- ・騒音と振動の数値が各条例で定める数値以下であること。
-
規定値は、時間帯や用途地域によって異なる。
管理者の選任
営業所ごとに1人を選任。場合によっては、別店舗との兼任も可能。
必要な申請書類

当事務所が用意する書類は○、お客様の方でご用意していただく書類は☆印。
申請書・添付書類 | 用意・作成する人物 | 備考欄 |
---|---|---|
許可申請書(個人または法人) | ○ | |
営業所周辺の略図 | ○ | 用途地域証明または都市計画図 |
使用承諾書 | ○ | |
建物の全部事項証明書 | ○※ | ※役所に請求 |
入居概況一覧図 | ○ | 営業所が入居する建物の他テナント一覧を記載 |
1階概況図 | ○ | |
入居階概略図 | ○ | |
営業所求積図 | ○ | |
客室などの求積図 | ○ | |
営業所の平面図 | ○ | |
求積一覧 | ○ | |
音響・照明の設備図 | ○ | |
営業方法を記載した書類 | ○ | 営業時間、システム・料金等を記載 |
誓約書(個人また法人) | ○ | 法人の場合は全役員分 |
誓約書(管理者用A・B) | ○ | A:誠実に業務を行うこと B:欠格事由に該当しないこと |
委任状 | ○ | 行政書士が手続きを代理する場合 |
住民票(申請者、管理者) | ○※ | ※役所に請求 本籍を記載 |
履歴事項全部証明書(法人の場合) | ○※ | ※役所に請求 |
メニュー案 | ☆ | |
物件契約書のコピー | ☆※ | ※必須書類ではないが、必要な場合もあり |
定款のコピー | ☆ | |
身分証明書(申請者、管理者) | ☆ | 法人の場合は全役員分。外国人の場合は在留カードの両面コピー |
飲食店営業許可証のコピー | ☆ | すでに許可証がある場合 |
管理者の顔写真 | ☆ |
営業上の注意点・義務

主な遵守事項
営業時間の制限
営業時間は原則として午前6時から午前0時まで。
営業時間の延長※神奈川県の場合
「12月15日〜翌年の1月10日の間」「横浜市中区及び川崎市川崎区の一部(日時問わず)」については午前1時まで営業可能。
従業者名簿を備付ける義務
営業所ごとに、従業員に関する「住所」「氏名」「生年月日」「従事する業務内容」等を記載した従業者名簿を備付ける。
外国人雇用
従業員として働ける外国人は「定住者」「永住者・特別永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の在留資格者。
構造及び設備の維持
構造・設備的要件で記載されている事項について、営業後も維持する。
営業所で客を宿泊・就寝させない
旅館・ホテルと料理店を兼ねている店舗は例外。
その他注意事項
- ■18禁・20禁の標識を掲示
-
入り口付近に「18歳未満の者が営業所に立ち入ってはならない」、「20歳未満の者に酒類を提出しない」という旨を表示。
- ■料金表の表示
-
料金表(システム料金・メニュー案など)は、お客さんの見やすいところに表示。
- ■迷惑行為防止措置、苦情処理に関する記録簿を用意
-
深夜0時以降も営業する場合に必要。ポスターなどで「騒いだり、暴れたりしないでください」などと注意喚起したり、口頭で直接説明。実際に苦情があった際は記録簿に記載。
禁止事項
- 客引き行為。その行為をするため、道路その他公共の場所で、人の身辺に立ちふさがり、またはつきまとうこと
- 営業所で、18歳未満の者に客の接待をさせること
- 営業所で、午後10時~翌午前6時までの時間において18歳未満の者を客に接する業務に従事させること
- 18歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること
- 営業所で、20歳未満の者に酒類・たばこを提供すること
風俗営業許可 手続きの流れ

営業所の「所在地」や「営業形態」、お客様(申請者・法人であれば役員・管理者)が欠格事由に該当するか否かを確認。
営業所が、許可を取得できる場所にあるかチェック。
営業所の設備・構造が要件をクリアしているかチェック。
完成した申請書類を、営業所の所在地を管轄する警察署へ提出。
警察署の担当者が営業所に訪れ、構造や設備など各種許可要件を満たしているかチェック。
すべての許可要件をクリアしていれば、申請日から通常55日ほど(標準処理期間)で許可の通知。後日、その証明となる営業許可証・管理者証が発行される。
許可通知が届いた時点で基本的に営業可能。
◆補足 ステップ⑤「実査」をクリアするための確認事項。
- ■構造及び設備的要件を再確認
-
客室内部に見通しを妨げる設備(100mを超える家具等)の有無、外から店内が丸見えか…等をチェック
- ■18禁・20禁の標識を掲示
- ■料金表の表示
- ■従業員名簿を用意
-
実査の段階では用紙のみでOK。
- ■迷惑行為防止措置、苦情処理に関する記録簿を用意
-
※実査とは、風俗環境浄化協会の検査員や管轄の警察官が営業所に訪れ、構造・設備要件を満たしているか、申請書類の内容と相違はないか等のチェックを行うこと。
まとめ
風俗営業許可(1号)を取得するための許可要件や必要な手続きなどについて説明いたしました。風営法の目的は「善良な風俗と清浄な風俗環境を保つこと」「少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止すること」…としているため、許可手続きのハードルは高めです。もし「自分で手続きするのは難しいかも…」とお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。