【アダルト配信】ファンティア（Fantia）で稼ぐためにはどんな手続きが必要？ 映像送信型性風俗特殊営業届出の基本ガイド【風営法】

　自身が創作した作品をアップして報酬を獲得できるクリエイター支援サービス・ファンティア（Fantia）。投稿されている作品は、イラストや漫画といった健全なコンテンツから、セクシーな写真・動画までそのジャンルは多岐にわたります。

　その中でも、アダルト系の動画や写真等を投稿して収入を得る場合、風営法上の映像送信型性風俗特殊営業の届出を行わなければなりません。

この届出を営業開始の10日前までに行わないと、無届殊営業を行ったとして、6カ月以下の懲役若しくは100万円以下の罰金、又はその両方が課せられる恐れがあります。

どんな場合に届出・手続きが必要か

　では、具体的にどんな場合に届出の手続きが必要かというと、風営法では「専ら、性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面又は衣服を脱いだ人の姿態の映像を見せる営業（＝収益を得る）で、電気通信設備を用いてその客に当該映像を伝達すること（放送又は有線放送に該当するものを除く。）により営むものをいう」と定義されています。

　さらに詳しくいうと、風営法の解釈運用基準では以下のような例を挙げています。　

■「性的好奇心をそそる」

性的な感情を著しく刺激する目的であると社会通念上認められるもの。
※具体例：大腿部（ふともも）を開いた姿態、自慰の姿態、男女間の性交またはそれを連想させる行為…等

■「性的好奇心をそそるため性的な行為を表す場面」

自慰行為、性交、性交類似行為等を行っている人の様子や光景のこと。

■「衣服を脱いだ人の姿態」

全裸または半裸等、社会通念上、公衆の面前で人が着用しているべき衣服を脱いだ人の姿態…のこと。

■「映像」

静止映像のほか、ビデオ映像のような動画もこれに含まれる。…等々

　これらのコンテンツを配信して作品ごとに報酬を得たり、月額登録制の有料会員から支援を受ける際は、映像送信型性風俗特殊営業の届出が必要になります。

　なお、インターネット上に投稿する場合は、ホームページ単位で届出をすることになります。つまり、ファンティア以外にも複数のサイトで配信を行う場合は、そのホームページの数に応じて届出する必要があるので、その点はご注意ください。

ファンティアで稼ぐための届出要件

　映像送信型性風俗特殊営業に関しては、破産者や犯罪経歴があるなどの「人的要件」や、特定の場所・地域での営業が制限される「場所的要件」等の届出要件ありません。

　ただし、届出の必須事項である「営業の本拠となる事務所」は必ず定めなければなりません。事務所は届出者のご自宅でも可能ですが、賃貸物件の場合はオーナーの承諾が必要となり、これが届出を行う上で最大のネックになってきます。

　その承諾書には「私（オーナー）は当該物件の所有者として、その物件を映像送信型性風俗特殊営業で使用することを承諾します」といった文言を記載する必要がありますが…。

　風営法分野に明るくないオーナーさんからすれば「性風俗」というワードを見ただけで、嫌悪感を示す方も中にはいらっしゃるでしょう。それだけで承諾を得られない可能性も十分にありますので、物件探しは困難を極めることでしょう。

　なお、当事務所では、映像送信型性風俗特殊営業に特化したレンタルオフィス業者をご紹介できます。ご依頼をいただいた場合はスムーズにお繋ぎいたしますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。

必要書類

申請書・添付書類	備考欄
営業開始届出書	配信を行うプラットフォームの「URL」も記載
営業の方法を記載した書類
事務所の使用について権原を有することを疎明する書類 （賃貸物件の場合）	使用承諾書・賃貸契約書のコピー・建物に係る登記事項証明書など
事務所の平面図
住民票のコピー	本籍記載のもの。※外国人の場合は国籍等記載の住民票のコピー
定款、法人に係る登記事項証明書 （法人の場合）

手続きの流れ

まとめ

　ファンティアでアダルトコンテンツを配信し、収益を得るために、届出書類の提出や営業所の図面作成に加え、最も難関とされる「使用承諾書」の取得が必要になります。

　場所や人物の要件はハードルは比較的低めですが、「よし。始めよう！」という気軽な気持ちで届出するほど簡単なものではありません。今後の営業を見据え、基本的な法令を確認しながら、理解のあるオーナーを見つけることが重要です。